ダナン市、2030年のスマートシティ実現を目指す
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にとどまらず、ダナン市は現在、データに基づく都市ガバナンスへの転換を進めています。AIシティ(AI City)の構築を目標に掲げるとともに、半導体・集積回路(IC)、人工知能(AI)、デジタルツイン(Digital Twin)に関する各種プロジェクトを推進し、データを基盤としたスマートな都市運営体制の構築を着実に進めています。
データガバナンスによるAIシティの実現へ
ダナン市の新たな発展ビジョンについて、ダナン市人民委員会のホー・クアン・ブー副委員長は、「デジタルトランスフォーメーション」や「スマートシティ」の実現にとどまらず、その先にある「AIシティ(AI City)」への発展を目標として掲げています。
従来の行政運営では、報告書や統計資料、行政経験に基づいて意思決定が行われることが一般的でした。しかし、新たなモデルでは、データがあらゆる行政運営の基盤となります。すべての意思決定は、リアルタイムで更新されるデータをもとに、人工知能(AI)による分析や可視化を通じて支援され、将来予測や影響評価、最適な施策の選択が可能となります。
この考え方は、「2026~2030年ダナン市半導体・人工知能分野発展計画」にも一貫して反映されています。本計画の大きな特徴は、データ経済を支える基盤インフラの整備にあります。具体的には、データセンター、高性能コンピューティング(HPC)センター、5G通信網、IoTインフラ、オープンデータ基盤、さらにはイノベーション・エコシステムと高度人材の育成などを総合的に整備することが盛り込まれています。
ホー・クアン・ブー副委員長は、ダナン市はこれまでの「既存技術を活用する守りの発想」から、「データ、人工知能(AI)、デジタル技術を活用して新たな価値を創出する攻めの発想」へと転換を進めていると述べています。
市は、2030年までにデジタル経済が地域総生産(GRDP)の35~40%を占めることを目標に掲げるとともに、データ取引プラットフォームの構築、データ経済の形成、さらにAIを行政職員・公務員だけでなく、市民一人ひとりにとっても不可欠な基礎能力とすることを目指しています。
このように、スマートシティは単にAIアプリケーションの数によって評価されるものではなく、データに基づく行政ガバナンス能力によってこそ、その成熟度が測られるものとされています。
2026年6月22日、ダナン市人民委員会はさらにデジタルツイン(Digital Twin)実証事業を承認しました。デジタルツインは、都市の「生きたデジタルツイン」を構築し、さまざまな分野から収集されるデータをリアルタイムで継続的に反映します。この基盤により、行政は現状を把握するだけでなく、都市開発に関する複数のシナリオをシミュレーションし、施策を実施する前にその影響を評価することが可能になります。これは、従来の「事象を管理する行政」から、「データに基づいて都市を統治する行政」への大きな転換を意味しています。
AI・デジタルツイン・オープンデータが創るスマートシティ
新たな都市ガバナンスモデルにおいて、データはもはや行政活動の副産物ではなく、新たな発展を支える重要な資源として位置付けられています。
デジタルツイン(Digital Twin)は、都市全体の運営、シミュレーション、そして意思決定を支える基盤となるデジタル環境です。これらの要素が相互に連携することで、都市はより効率的な管理を実現するだけでなく、将来予測能力の向上、迅速な対応、さらには市民一人ひとりに対するより的確な行政サービスの提供が可能となります。
半導体・人工知能(AI)分野の発展計画では、データの標準化、オープンデータの整備、データセンターおよび高性能コンピューティング(HPC)センターへの投資、さらにIoT・5Gインフラの整備を重点施策としています。また、都市行政における実際の課題をテーマとして提示し、企業、大学、研究機関が連携して解決に取り組む仕組みの構築も進められています。
ダナン市人民委員会のホー・クアン・ブー副委員長は、AIは経済・社会のあらゆる分野に浸透し、行政部門と民間部門の双方において知的価値を高めるツールとなるべきであると述べています。また、「資本(Blockchain)+労働(Robot)+知識(AI)」という新たな成長モデルが、ダナン市の二桁成長(GRDP)を実現する原動力になるとの考えを示しました。
フオンチャー地区では、デジタルツイン(Digital Twin)の実証プロジェクトとして、土地、インフラ、公共施設、教育、医療、住民情報などを統合・可視化する統一デジタルプラットフォームの構築が進められています。
このシステムにより、行政はリアルタイムで状況を把握・分析し、データに基づく意思決定を行うことが可能となります。また、本モデルは、市全域へのデジタルツイン展開に向けた評価・改善のためのモデルケースとしても位置付けられています。
これと並行して、同地区の職員・公務員を対象に、AIを活用した申請書類の処理、データ管理、文書作成などに関する研修が実施されており、データとAIに基づく新たな行政運営手法が着実に形成されつつあります。
また、ホアクオン地区では、市内に先駆けて包括的なデジタル行政プラットフォームを導入しました。データ、業務システム、行政運営ツールを単一のシステム上に統合することで、行政責任者はリアルタイムでデータを把握・分析できるようになり、市の共通データベースとも連携しながら、行政運営の効率化と市民・企業へのサービス品質向上を実現しています。
一方、タムキー地区では、AIアシスタント、Zalo Mini App、デジタルマップ、地域デジタル技術支援チームを活用し、行政改革を推進しています。
導入から1年足らずで、同地区では13,670件以上の行政手続きを受け付け、オンライン申請率99.54%を達成しました。さらに、すべての申請が期限内または期限前に処理され、26,000人以上の市民がオンライン行政手続きの利用支援を受けています。
これらの事例は、AIとデータがもはや戦略レベルの構想にとどまらず、基礎自治体レベルにおいて市民サービスを支える実践的なツールとして活用されていることを示しています。
このビジョンを実現するため、ダナン市は制度面、インフラ面、人材面における課題の解決を引き続き進めています。また、国会決議第136/2024/QH15および第193/2025/QH15に基づく特別政策を積極的に活用するとともに、国際水準のデータセンター、ソフトウェアパーク第2期、海底光ファイバー通信インフラへの投資を進めています。さらに、サンドボックス制度の適用範囲を拡大することで、世界的なテクノロジー企業の誘致を目指しています。
ホー・クアン・ブー副委員長は、「2030年に向けたAIシティモデルは、ダナン市へのハイテク投資や国際的な専門人材を呼び込む大きな魅力となる」と強調しました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が行政活動をデジタル空間へ移行する取り組みであるならば、データガバナンスはそのさらに先の段階であり、データを都市ガバナンス全体を支える「ソフトインフラ」として位置付ける考え方です。
これこそが、ダナン市がAI Cityの実現に向けて優先的に採用している戦略です。目指しているのは、単にAIを活用する都市ではなく、データを基盤として都市全体が運営され、市民へのサービス効果をあらゆる政策判断の尺度とする都市の実現なのです。
ホアクオン地区 ― デジタル政府への歩み
二層制地方自治制度の運用開始当初に直面したさまざまな課題を受け、ホアクオン地区の指導部は、行政運営、指揮・監督、市民および企業へのサービス提供にデジタル技術を積極的に導入することを決意しました。その強い思いは、8か月以上にわたり数々の困難や課題を乗り越えた末、現実のものとなりました。
ダナン市、「デジタルツイン実証事業」を承認
ダナン市は、デジタルツインモデルの実証事業を開始し、統合型デジタルデータ基盤を構築するとともに、空間データおよび各分野の専門データを可視化することで、データに基づく行政管理、運営、監視および意思決定を推進します。
ダナン市における経済、政治、文化、社会に関する対外情報 (2026年10月5日から10日まで)
2026年10月5日から10日にかけて、ダナン市では経済、政治、文化、社会に関する注目のイベントや活動が開催されました。以下は、ダナン市ポータルがまとめた主なイベントと活動となります。
公務員のデジタル能力向上を推進
デジタル人材の育成・研修は、政治局決議第57号(57-NQ/TW)の効果的な実施に向けた重点施策の一つです。ダナン市では、多くの行政区(コミューン・街区)が主体的に、公務員のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するスキルや、データの管理・活用能力の向上に取り組んでいます。これにより、近代的かつ専門性の高い行政運営を実現するとともに、市民を中心とした行政サービスの提供を推進しています。
ホアクオン地区、デジタル政府システムの運用開始を発表
6月24日午後、ホアクオン地区人民委員会は、「デジタル政府システム」の運用開始を正式に発表しました。
デジタルツインとスマートシティ・ダナンにおけるデータ統合の課題
2030年までにデジタル経済が地域総生産(GRDP)の約40%を占めること、さらに世界トップ50のスマートシティ入りを目指すダナン市にとって、都市デジタルツイン(Digital Twin)は、その目標を実現するための重要な基盤技術であると、多くの専門家が評価しています。
市民の暮らしの質を高めるスマートシティの構築
電子政府からスマートシティへ――ダナン市は、「市民を中心に、技術を原動力とし、データをあらゆる政策決定の基盤とする」という理念のもと、持続可能な発展の実現に向けて着実に歩みを進めています。
グーハインソン地区、「イノベーション・デジタルトランスフォーメーション・スペース」が正式に運用開始
7月4日午前、グーハインソン地区人民委員会は、「イノベーション・デジタルトランスフォーメーション・スペース」の開設および運用開始式を開催しました。
AI・データ・高度人材を基盤としたダナンにおけるベトナム国際金融センターの発展
7月7日午後、「ダナン2026ハイレベル政策対話会議」の一環として開催されたセッション「ダナンにおけるベトナム国際金融センター(VIFC)の発展」において、ダナン市の指導者および海外の専門家は、ダナン・ベトナム国際金融センター(VIFC-DN)を、人工知能(AI)、データ、高度人材を基盤とする先進的な金融センターとして整備し、グリーンファイナンス、デジタル資産、資産のトークン化)を重点分野として発展させることで、国際市場における競争力を高める方針を示しました。


このニュースにはまだコメントがありません!